歯を削る量を最小限にして『ジルコニア』で白い歯を取り戻しましょう
金属製の歯が目立つので、お口を開けるときに気になってしまうんです。何とか白い歯に治せないでしょうか?
このようなご相談を頻繁にいただきます。
従来からメタルボンド(陶材焼付け鋳造冠)と呼ばれる、内側に金属、表面の見える部位にはセラミックを組み合わせて作製する被せ物が自費診療では使用されており、実際にお口の中に入っている患者さんも大勢いらっしゃいます。
セラミックを使用していますので変色したりツヤが失われる心配は無く、技術の高い歯科技工士さんが作製した被せ物は天然の歯と区別がつかないほどです。
奥歯に使っても割れる心配は非常に少ないので、とても使い勝手が良く、審美治療といえばメタルボンドを指すといっても大げさではない時代がつい最近まで続いてきました。
しかし、メタルボンドは内面に金属を必ず使用するため歯茎との境目が暗くなりやすく、それを避けるためには歯を1.5mm以上しっかり削りセラミックの厚みを確保して金属の裏打ちを無くす必要があります。
歯を余計に削り、金属の裏打ちを無くして被せ物の強度を犠牲にして審美性を確保しても、歯周病などの影響で歯茎が下がってしまうと被せ物と歯の境界が目立って見苦しくなってしまいます。
特に口を開けると目立ってしまう前歯で上のような状態では、思いっきり大きな口を開けて笑うこともはばかられてしまいます^^;
右上2番、1番と左上2番のメタルボンドをオールセラミックでやり直しました。(材料は、イボクラール社のIPS e.Maxを使用しました)
オールセラミックは、その名のとおり金属を使用せずセラミック材料のみで作製されるので、歯茎の変色や歯との境目に違和感が生ずる心配は無く、自然な透明感を表現できるので上の写真でも左上1番と両隣の被せ物が見事に調和しています(*^-^)
オールセラミックの被せ物を作る際には、セラミックが割れるのを防ぐために最低でも1mm、噛み合わせで力がかかる場所では2mmの厚みを確保するために歯を削る必要があります。
むし歯の治療で歯の中の神経を取って被せ物を作ってある場合は、上記の条件をクリアーする程度まで歯が削られているケースがほとんどで、削り足す量はわずかで済むことが多いのです。
写真は左上の奥歯ですが、奥から2番目の歯がむし歯のため抜歯されており、両隣の歯を土台にして金属製のブリッジで修復されています。
保険診療では度々お目にかかる症例なのですが、患者さんはまったく金属の見えない自然な白い歯に直したいという希望をお持ちでした。
メタルボンドか従来型のオールセラミックで被せ物を作るためには、
最低でも1mmは歯を削り足さなくてはいけないのですが、写真のように歯茎が下がって歯の根っこが露出している場合には、神経に近い象牙質に削り込むことになるため、冷たいものが強くしみたり痛みが続くようになり歯の中の神経(歯髄)を取らざるを得なくなるケースが非常に多いのです。
治療後の痛みを回避するために、歯の周りを削る前に神経を取る(抜髄)選択をする医院もめずらしくないでしょう。
神経を取ってしまえばその後の治療で歯を削っても痛むことはなくなりますが、数年経ってから根管内に細菌の感染が起こり、感染根管となって根尖病変が出来てしまう可能性がかなり高いということで、もし根尖病変が出来てしまった場合には、根管治療など全ての治療が一からやり直しになってしまいます。
しかし治療が出来ればまだ良いほうで、治療が不可能で抜歯に至るケースも少なくありません。
何とかして神経を残したまま白いかぶせ物を作製するために、材料の探索を続けたところ、ATDジャパン社のタイザン・ジルコニアに辿りつきました。
特殊な製法により従来型のジルコニアよりも強度が高い上に、ジルコニア自体の色合いをコントロールできるため、ジルコニアに盛り足す陶材の厚みを0.1mmまで薄くすることができるのです。
この優れた物性のおかげで、従来型のジルコニアと比較して歯を削る量を半分まで減らすことが可能なのですヽ(´▽`)/
金属をまったく使用することなく、内面まで白いオールセラミックのブリッジを作製することができました。
しかも、噛み合わせの力が最も強くかかる一番奥の歯はジルコニアのみで作製しているので、セラミックであるにも関わらず割れる心配はほとんど無いのです!
金属のブリッジをはずした後にほとんど削り足していないので、しみる感じはごく僅かで麻酔をする必要も無く、神経を残したままブリッジを装着できました(^^)
金属を使用していないので、歯茎が下がるようなことがあっても黒い縁が露出する心配はまったくありません。
お口の中でめだつ銀歯を自然な白い歯に治すうえで、材料にまつわる問題点はほぼ払拭されたと言っても過言ではないでしょう。
銀歯を気にせずに思い切り笑える時代がやってきました!
オールセラミックの特徴・治療費について詳しく知りたい方は
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新潟市西区小針7-5-13
松田歯科医院
電話 025-234-1112
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